AI関連のニュースを見つけると、ChatGPTに共有して「これは今後どうなりそう?」「別の出来事とつながっているのでは?」と壁打ちするのが、いつの間にか日課になりました。
会話を続けていると、ニュースの要約だけではなく、AI業界の構造や企業の戦略、社会への影響など、さまざまな考察が生まれます。しかし、すべてを記事にする時間はありません。そのままチャットの履歴に埋もれ、後から見つけられなくなることも増えてきました。
せっかく考えたことを、このまま流してしまうのはもったいない。そこで、ChatGPTとの会話をJSON形式で保存し、WordPress上で一覧表示できる「AI観測ノート」を作りました。本記事では、制作の背景や実装した機能、実際の運用方法について紹介します。
この記事の内容
- ChatGPTとの壁打ちを記録する「AI観測ノート」を作った理由
- JSONファイルとWordPressプラグインで実装した機能
- ChatGPTとの会話をブログへ掲載するまでの仕組み
- AIとの会話を蓄積して感じたメリット
- 「AI観測ノート」に今後追加したい機能
AI関連ニュースをChatGPTと壁打ちするのが日課
私はエンジニアとして働いていますが、AIを専門にしているわけではありません。気になるニュースを見つけても、知らない用語や前提知識が多く、検索していくうちに別の疑問が増えてしまうこともありました。どこから調べればよいのか分からず、気になりながらもそのまま放置してしまった話題も少なくありません。
そんな状況が変わったのは、ChatGPTに記事を共有して「これはどういうこと?」「なぜ今、この動きが起きているの?」と聞くようになってからです。分からない部分をその場で確認できるだけでなく、関連する企業の戦略や過去の出来事、社会への影響まで話を広げられるため、検索だけでは見えなかった全体像をつかみやすくなりました。
さらに面白かったのは、知識が増えるだけでなく、自分の考えも整理されていったことです。ChatGPTに疑問を投げかけ、返ってきた視点に対してさらに問いを重ねるうちに、「私はこのニュースの何に引っかかったのか」「別の出来事とどうつながっているのか」が少しずつ言葉になっていきました。
こうして、気になるAI関連ニュースを見つけたらChatGPTと壁打ちすることが、いつの間にか私の日課になったのです。
会話が流れていくのはもったいない!「AI観測ノート」を作った理由
ChatGPTとの壁打ちを続けていると、ひとつのニュースからさまざまな考察が生まれます。企業の戦略や各国の政策、社会への影響など、話題が別のテーマへつながることも珍しくありません。
一方で、会話は次々と流れていきます。せっかく考えた内容も、時間がたつと「どのチャットで話したのか」が分からなくなり、後から探すのが難しくなっていました。
そこで、ChatGPTとの会話から生まれた考察を、手軽に保存して一覧で見返せる「AI観測ノート」を作ることにしました。
記事にするほどではない考察がたくさんあった
ChatGPTとの壁打ちで生まれる内容のすべてが、一本の記事になるわけではありません。
興味深い視点ではあるものの、記事にするには情報量が足りない場合もあります。反対に、話が広がりすぎて、すぐには結論を出せないテーマもありました。記事としてまとめるには、追加調査や構成の整理が必要です。
とはいえ、その時点で考えたことには意味があります。後から別のニュースを見たときに、「以前話した内容とつながっている」と気づくケースも少なくありません。記事にはならない小さな考察も、消してしまうのではなく、メモのように残しておきたいと考えました。
小さな考察を蓄積できるデータベースのような場所が欲しかった
ChatGPTの履歴にも会話は残りますが、過去の考察を一覧で見渡す用途にはあまり向いていません。タイトルから内容を思い出せないこともあり、特定の話題を探すだけで時間がかかります。
そこで欲しくなったのが、自分が気になったAIニュースと、そのとき考えた内容をまとめて蓄積できる場所です。
完成した記事を並べるのではなく、ニュースの概要や議論したポイントを短く記録する。後から日付やタグを手がかりに読み返し、必要に応じて記事の材料として使う。そのような、自分専用の考察データベースをイメージしました。
過去の記録が増えていけば、自分の関心がどこに向いていたのか、考え方がどのように変化したのかも見えてきます。単なるメモではなく、AIの変化を継続的に観測するノートにしたいと考え、「AI観測ノート」と名付けました。
WordPressプラグインもAIなら簡単に作れるのか試したかった
もうひとつの目的は、AIを使ったWordPressプラグイン開発を試すことでした。
私はPHPエンジニアなので、WordPressの基本的な仕組みは理解しています。しかし、個人ブログ用の機能を一から設計して実装するとなると、それなりに時間がかかります。仕事ではないため、途中で面倒になって放置してしまう可能性もありました。
そこで、必要な機能やデータ構造をChatGPTと相談しながら、プラグインのコードも作ってもらうことにしました。生成されたコードをそのまま使うのではなく、自分で内容を確認し、不具合を修正しながら実装を進めています。
AIを使えば、思いついた機能をどの程度の手間で形にできるのか。エンジニアがAIと一緒に個人開発を進めると、どこまで効率化できるのか。「AI観測ノート」には、その実験という側面もあります。
「AI観測ノート」を構成する3つの機能
「AI観測ノート」は、複雑なデータベースや外部サービスは使わず、ChatGPT、JSONファイル、WordPressだけで完結するシンプルな構成にしました。ここでは、3つの機能について紹介します。
AIニュースと考察を保存する月別JSONファイル
AI観測ノートのデータは、WordPressのデータベースではなくJSONファイルに保存しています。
JSONは、データを決められた形式で整理して保存するためのフォーマットです。文章だけのメモとは異なり、日付やニュースの出典、考察、タグなどを項目ごとに分けられます。プログラムから読み込みやすく、後から別の用途に流用しやすい点もメリットです。
今回のAI観測ノートでは、次のような形式で1件分のデータを保存しています。
{
"id": "2026-07-23-ai-observation-note",
"discussion_date": "2026-07-23",
"source": {
"title": "ニュースや話題のタイトル",
"url": "https://example.com/",
"published_date": "2026-07-22",
"publisher": "メディア名",
"summary": [
"ニュースの概要",
"注目したポイント"
]
},
"discussion": {
"points": [
"ChatGPTとの壁打ちで考えたこと",
"関連する出来事とのつながり",
"今後起こりそうな変化"
]
},
"tags": [
"生成AI",
"AIガバナンス",
"OpenAI"
]
}
sourceには、壁打ちのきっかけとなった記事のタイトルやURL、公開日、ニュースの概要を保存します。discussionは、ChatGPTとの会話から生まれた考察をまとめる項目です。tagsには、後から話題を分類できるように関連キーワードを入れています。
データは、次のように月単位でファイルを分けました。
2026-07.json
2026-08.json
2026-09.json
すべての記録を1つのファイルに保存すると、データが増えた際に読み込みや管理がしにくくなるし、1件ずつ別ファイルにするとファイル数が増えすぎてしまいます。そこで、管理のしやすさとファイルサイズのバランスを考え、月別にまとめる形式を選びました。
JSONファイルとして保存しておけば、WordPress以外でも利用できます。将来的に別のページで表示したり、複数の記録をまとめて記事の構成案にしたりする際にも使いやすそうです。
JSONデータを一覧表示するWordPressプラグインとCSS
保存したJSONデータをブログ上に表示するため、WordPressプラグインとCSSを作りました。

プラグインでは月別JSONファイルを読み込み、記録された日付やニュースの概要、考察、タグを一覧形式で表示します。固定ページに専用のショートコードを設定すると、JSONの内容がAI観測ノートとして出力される仕組みです。
データが増えても読みやすいよう、1ページに表示する件数は5件に設定しました。6件目以降はページを分け、過去の記録へ移動できるページングも実装しています。
ニュースの概要や考察は、長い文章として表示するのではなく、内容ごとに箇条書きで整理しました。日々の記録を短時間で眺められ、気になる話題だけを拾いやすくするためです。
通常のブログ記事は、タイトルや本文をWordPressの投稿として1件ずつ登録します。しかし、AI観測ノートではJSONファイルにデータを追加すれば、プラグインが自動で一覧へ反映します。
記事として完成させる前の小さな考察を保存する場所なので、WordPressの通常投稿とは分けて管理する形にしました。
JSONデータを追記する管理画面
当初は、ChatGPTが出力したJSONを手作業で月別ファイルへ追加することも考えていました。しかし、毎回サーバー上のファイルを開いて編集するのは面倒です。カンマや括弧の位置を間違えると、JSONファイル全体を読み込めなくなる恐れもあります。
そこで、WordPressの管理画面に「AI観測ノート」の専用メニューを追加しました。

ChatGPTが作成した1件分のJSONデータを入力欄へ貼り付け、登録ボタンを押すと、discussion_dateの日付から保存先の月を判定します。2026年7月のデータであれば、2026-07.jsonへ自動で追記する仕組みです。
対象月のファイルがまだ存在しない場合は新しく作成し、すでにファイルがある場合は既存データの末尾へ追加します。JSONの形式に問題があるときはエラーを表示するため、壊れたデータをそのまま保存するリスクも抑えられます。
現在の登録作業は、次の3ステップです。
- ChatGPTに会話内容をJSON形式でまとめてもらう
- 出力されたJSONを確認する
- WordPressの管理画面へ貼り付けて登録する
完全な自動投稿にはせず、公開前に一度自分で内容を確認する工程を残しました。AIがまとめた内容に誤りがないか確認したり、表現やタグを調整したりしてから登録できるためです。
仕組み自体はシンプルですが、サーバー上のファイルを直接編集する必要がなくなり、日常的に続けやすくなりました。
完全自動化ではなく「半自動」にした理由
ChatGPTのAPIやWordPress REST APIなどを組み合わせれば、会話内容の整理からブログへの登録まで自動化することもできます。ただ、今回はそこまで大がかりな仕組みにはしませんでした。
「AI観測ノート」は、完成した記事を投稿する場所ではなく、日々の壁打ちから生まれた小さな考察を残すためのメモです。登録件数もまだ多くないため、API連携の設定や認証情報の管理、エラー対応まで考えると、仕組みを作る手間のほうが大きくなってしまいます。
また、ChatGPTがまとめた内容を公開前に一度確認したいという理由もあります。ニュースの概要や考察のニュアンスを確認し、必要に応じて文章やタグを修正してから登録することで、自分の意図と異なる内容がそのまま掲載されるのを防げます。
現在の運用でも、ChatGPTが出力したJSONを管理画面へ貼り付けるだけなので、それほど手間はかかりません。まずは半自動の形で使い続け、記録が増えて登録作業が負担になった段階で、API連携やさらなる自動化を検討する予定です。
「AI観測ノート」に今後追加したい機能
現在の「AI観測ノート」は、JSONデータを登録し、固定ページに一覧表示するところまで実装しています。最低限の目的は達成できていますが、記録が増えたときに過去の考察を探しやすくするため、いくつか追加したい機能があります。
今のところ検討しているのは、次のような機能です。
- キーワードによる観測記録の検索
- タグを使った絞り込み表示
- 同じテーマを扱った関連記録の表示
- JSONの生成から登録までのさらなる効率化
- 複数の観測記録をもとに記事構成案を作る機能
特に実装したいのが、検索とタグによる絞り込みです。データが少ないうちは一覧を眺めるだけでも目的の記録を見つけられますが、数が増えるほど探しにくくなります。「中国AI」「AIガバナンス」などのキーワードやタグから、過去の考察を横断して確認できるようにしたいところです。
関連する観測記録を表示できれば、別々のニュースについて話した内容のつながりも見えやすくなります。AI業界の動きは、一つの出来事だけで完結するとは限りません。過去の議論を関連づけることで、企業戦略や政策の変化を継続的に追えるようになると考えています。
さらに記録が蓄積されたら、複数のJSONデータをChatGPTに渡し、記事の構成案を作る仕組みも試してみたいです。小さな考察を集めて一つの記事へ発展させられれば、「AI観測ノート」をメモとして保存するだけでなく、執筆を支えるデータベースとしても活用できます。
ただし、機能を増やしすぎて登録や管理が複雑になっては、気軽に記録できるという利点が失われてしまいます。まずは現在の形で運用しながら、不便を感じた部分から少しずつ改善していく予定です。
作ってみたら、AIとの会話が資産になった!
「AI観測ノート」を作って最も大きく変わったのは、ChatGPTとの会話を一時的なやり取りではなく、自分の知識として残せるようになったことです。
これまでは、面白い考察が生まれても、次の話題へ進むうちにチャットの履歴へ埋もれていました。AI観測ノートに記録するようになってからは、「あのとき何を考えていたのか」「どのニュースをきっかけに話が広がったのか」を後から確認できます。
記録を並べて見返すと、別々に見えていたニュース同士のつながりにも気づきます。AI企業の戦略、各国の政策、インフラや安全保障の問題など、日々の壁打ちで生まれた小さな考察が少しずつ線になり、自分なりにAI業界の全体像を捉えやすくなりました。
また、観測記録はブログやnoteの記事を書く際の材料としても活用できます。最初から一本の記事を完成させようとすると負担が大きいものの、その都度考えたことを短く残しておけば、関連する記録を集めながらテーマを育てられます。
更新頻度が低かった技術ブログにも、「完成した技術記事を掲載する場所」だけではなく、「考えている途中の内容を蓄積する場所」という新しい役割が生まれました。小さなメモでも、積み重ねれば自分の関心や思考の変化が分かる記録になります。
AIに答えを出してもらうだけではなく、AIとの対話を通して考えた過程を残す。「AI観測ノート」を作ったことで、流れていくだけだった会話が、自分だけの資産へ少しずつ変わり始めています。
おわりに:小さな考察も、蓄積すれば自分の資産になる
ChatGPTとの壁打ちで生まれる考察は、ひとつずつ見れば小さなメモにすぎません。しかし、記録を積み重ねていけば、自分が何に関心を持ち、どのように考えてきたのかが分かる大切な資産になります。
今回「AI観測ノート」を作ったことで、これまでチャットの履歴に埋もれていた会話を、後から見返して再利用できる形で残せるようになりました。記事の材料として使うだけでなく、変化の速いAI業界を自分なりに観測し続ける場所にもなりそうです。
せっかく作った仕組みなので、日々の壁打ちを少しずつ記録しながら、大切に運用していきたいと思います。必要な機能を無理のない範囲で追加し、自分の思考とともに「AI観測ノート」も育てていく予定です。

