セッション基本情報

「デザインツールの進化に翻弄されるな」――そんなメッセージを掲げて登壇したのは、Webデザイナーの山田ニーナさんです。

山田さんは宮崎出身で、現在は八王子を拠点に活動しています。高校卒業後、職業訓練校でWebとDTPを学び、インハウスデザイナーを経て独立。十数年にわたるキャリアの中で、デザイン環境の変遷を肌で体感してきたと語ります。

山田さんがWebデザインを始めた2007年当時、主流だったのはAdobe CS5。Dreamweaverでコーディングし、HTML4.0と初期のCSSでサイトを組み上げる時代でした。「初音ミクがネギを振り回していた頃」と、懐かしいエピソードで会場の笑いを誘います。

その後、SNSの普及、スマートフォンの登場、そしてCanvaなどの普及と、デザインを取り巻く環境は急速に変化。特に近年は、AIによる画像生成や動画生成技術の進化も著しく、「情報のキャッチアップがますます難しくなっている」と指摘します。

一方で、山田さんが強調したのは「結局最後に頼れるのは“人”」ということ。個人事業主として情報収集に苦労するなか、職業訓練校時代の講師や、コミュニティ活動を通じて知り合った仲間たちが、自然と新しい情報を届けてくれたといいます。

デザインツールや技術はどんどん変わるけれど、信頼できる人とのつながりがあれば、自分を取り巻く環境にも柔軟に対応できる。山田さんの講演には、「変化に臆せず、周囲とのつながりを大切にしながら、自分自身も少しずつアップデートしていく」という働き方のヒントが詰まっていました。

管理人

生成AIの登場以降、日々新しい技術やツールが生まれるなかで、私たちは「どれが一番新しいか」「今なにが流行っているか」ということばかりに目を奪われがちです。

しかし、山田さんのセッションを聞き、一過性のブームに振り回されるのではなく、人とのつながりのなかで精査された情報を受け取り、自分にとって本当に必要なものを選び取る姿勢こそが大切なのだと強く感じました。

目まぐるしい変化に柔軟に対応しながらも、地に足のついた学びを続けていきたいですね。